住宅外壁塗装の方法について
美観の向上のみならず、建物維持の観点においても様々なメリットをもたらす外壁塗装。とは言えそれは単純に塗料を塗れば良いというものではありません。正しい方法を用いてこそ長く効果が得られるのです。正しい塗装方法とはどのようなものなのか、見ていきたいと思います。
外壁塗装の効果
外壁塗装のメリットは、建物の見栄えの良くなるということだけではありません。それ以上に大きな利点が得られます。それは、建物の劣化防止と、住環境の向上です。
夏冬の寒暖差、湿気、風で飛ばされてくる海水塩分など腐食を促す物質の付着、そのような劣化要因に、建物は日々晒されています。それら劣化要因に何の対策も講じていないままであれば、建物にダメージが現れ、建築物としての寿命を縮めてしまうことになるでしょう。
しかし、塗装を施すことで、劣化要因に伴うダメージが大きく軽減され、長く建物を維持できるようになります。
また近年では、劣化防止以外にも、断熱・防カビ・防錆・防虫・抗菌など、住宅に適した様々な効果を持つ塗料が使用されるようになってきました。例えば断熱効果を持つ塗料を使用すれば、屋内の温度が保たれやすくなり、冷暖房機器使用による光熱費を低く抑えることができるでしょう。
それ以外にも、使用する塗料の種類によって、カビ発生を抑える・錆が発生しにくい・虫が寄り付きにくい・菌の繁殖を防ぐ、など、目的に応じて住環境を向上させる様々な効果が得られます。
しかし、これら塗装効果を長く持続させるためには、精度の高い塗装がなされていなければなりません。工事に当たっては、作業方法に精通している塗装会社に依頼するのが最良と言えるでしょう。
外壁塗装の作業方法
塗装会社など、その道のプロはどのような段取りで作業を進めていくのか、見ていきたいと思います。
まず行われるのは、足場の仮設工事です。作業場所となる足場を確保してこそ、施工漏れのない完全な塗装がなされると言えるでしょう。
次に行われるのが塗装面の下地調整です。高圧洗浄にて表面の汚れを落とした後、古い塗装を剥がすなどして表面の状態を整えるケレン作業を行います。ひび割れ箇所があれば、シーリングやモルタルを用いて補修します。
次に養生作業が行われます。これは建物周辺や塗装しない部分などに塗料が飛散し付着するのを防ぐため取られる措置です。足場周辺をシートで覆い、窓やドアなど非塗装箇所をビニールでマスキングする作業を指します。
以上の手順を経て、いよいよ塗装に取り掛かります。
塗装作業は、下塗り・中塗り・上塗りの3回にわたって行われます。
下塗りとは、塗料の付着性を高めるための工程です。シーラーやプライマー、フィラーなど、下塗り専用の塗料が用いられます。
その後、中塗り・上塗りにて、同じ種類の外壁用塗料を2回にわたって重ね塗りします。中塗りと上塗りの2回に分けて塗ることで、塗装に厚みを持たせ、耐久性を高めるわけです。
なお、塗装にはローラー工法と吹き付け工法の2つのタイプがあります。
ローラー工法は、ローラー型のブラシに塗料を含ませて壁面に塗る方法です。吹き付け工法に比べて塗料の量を少なく抑えられるメリットがあります。
吹き付け工法は、塗料を噴射する吹き付け機を用いて塗装する方法です。ローラーブラシや刷毛などを用いた塗装より短時間で作業が行えます。また、複雑な模様を施すことが可能であり、塗装跡が目立たないという特徴を備えています。ただし、凹凸の多い箇所では刷毛を併用することになっています。
※塗料によっては、吹き付け工法でしか使えない種類も存在します。
まとめ
以上の内容を要点にまとめると、以下の通りとなります。
◆塗装には、美観の向上、建物の劣化防止、住環境の向上といったメリットがある。
◆塗装工事は、足場仮設→下地調整→養生→下塗り→中塗り→上塗りといった手順で行われる。
◆塗装方法には、ローラーブラシで塗料を塗るローラー工法と、吹き付け機で塗料を噴射する吹き付け工法の2通りがある。